2025.11.13
国公立大学 工学部 二次試験配点比率ランキング TOP20
池田市にある大学受験テラス 石橋阪大駅前校です。
今回は
国公立大学の工学部(および関連する理工系学部)において、二次試験(個別学力検査)の配点比率が高い大学のランキング上位20校(目安)と、各大学の工学部の特徴を解説します。
二次試験の配点比率が高い大学は、共通テストでの多少の失敗を二次試験の得点で逆転できる可能性がある一方、記述力や思考力を問う二次試験対策が極めて重要になります。
【ランキングの基準】
- 2025年度入試(2024年度実施)の「前期日程」の情報を基本としています。
- 「工学部」のほか、理工学部、情報学部など工学系分野を学べる学部を含みます。
- 比率は「二次試験の配点 / (共通テストの配点 + 二次試験の配点)」で算出しています。
- 学科やコース、配点方式によって比率は変動するため、あくまで目安としてご覧ください。
目次
- 1. 🔬 国公立大学 工学部 二次試験配点比率ランキング TOP20
- 2. 🏫 各大学・学部の特徴(ランキング順)
- 2.1. 1. 東京工業大学(学院別)
- 2.2. 2. 東京大学(理科一類)
- 2.3. 3. 一橋大学(ソーシャル・データサイエンス学部)
- 2.4. 4. 京都大学(工学部)
- 2.5. 5. 大阪大学(工学部)
- 2.6. 6. 九州大学(工学部)
- 2.7. 7. 名古屋大学(工学部)
- 2.8. 8. 東北大学(工学部)
- 2.9. 9. 神戸大学(工学部)
- 2.10. 10. 横浜国立大学(理工学部)
- 2.11. 11. 北海道大学(工学部)
- 2.12. 12. 名古屋工業大学
- 2.13. 13. 電気通信大学
- 2.14. 14. 筑波大学(理工学群)
- 2.15. 15. 千葉大学(工学部)
- 2.16. 16. 京都工芸繊維大学
- 2.17. 17. 九州工業大学
- 2.18. 18. 広島大学(工学部)
- 2.19. 19. 岡山大学(工学部)
- 2.20. 20. 金沢大学(理工学域)
🔬 国公立大学 工学部 二次試験配点比率ランキング TOP20
| 順位 | 大学名 | 学部・学群等 | 二次比率 (目安) | 配点 (共テ / 二次) |
| 1 | 東京工業大学 | 学院別 | 実質 100% | (足切り) / 500 |
| 2 | 東京大学 | 理科一類 | 80.0% | 110 / 440 |
| 3 | 一橋大学 | ソーシャル・データサイエンス学部 | 79.1% | 225 / 850 |
| 4 | 京都大学 | 工学部 | 73.5% | 270 / 750 |
| 5 | 大阪大学 | 工学部 | 71.4% | 300 / 750 |
| 6 | 九州大学 | 工学部 | 70.0% | 300 / 700 |
| 7 | 名古屋大学 | 工学部 | 69.0% | 450 / 1000 |
| 8 | 東北大学 | 工学部 | 69.0% | 450 / 1000 |
| 9 | 神戸大学 | 工学部 | 68.8% | 250 / 550 |
| 10 | 横浜国立大学 | 理工学部 | 66.7% | 300 / 600 |
| 11 | 北海道大学 | 工学部 | 66.7% | 375 / 750 |
| 12 | 名古屋工業大学 | 工学部 | 66.7% | 300 / 600 |
| 13 | 電気通信大学 | 情報理工学域 | 66.7% | 200 / 400 |
| 14 | 筑波大学 | 理工学群 | 65.4% | 450 / 850 |
| 15 | 千葉大学 | 工学部 | 65.4% | 450 / 850 |
| 16 | 京都工芸繊維大学 | 工芸科学域 | 64.7% | 300 / 550 |
| 17 | 九州工業大学 | 工学部 | 64.3% | 250 / 450 |
| 18 | 広島大学 | 工学部 | 62.5% | 450 / 750 |
| 19 | 岡山大学 | 工学部 | 60.0% | 400 / 600 |
| 20 | 金沢大学 | 理工学域 | 59.1% | 450 / 650 |
🏫 各大学・学部の特徴(ランキング順)
ランクインした大学の工学系学部には、それぞれ際立った特徴があります。
1. 東京工業大学(学院別)
- 特徴: 日本の理工系トップ大学の一つ。2025年度入試(前期)から、共通テストは第一段階選抜(足切り)にのみ使用し、合否は二次試験(学力検査)の成績のみで決定するという、極端な二次重視(実質100%)に移行しました。
- 数学・物理・化学の深い理解と記述力が求められます。学部と大学院を統合した「学院」制度を採用し、入学時から専門分野を深く学べる環境(「系」への所属は2年次から)が整っています。「研究第一」の文化が強く、世界レベルの研究が数多く行われています。
2. 東京大学(理科一類)
- 特徴: 日本の最難関。工学部・理学部への進学者が多い「理科一類」は、二次試験の比率が80%と非常に高いのが特徴です。
- 最大の特徴は「進学選択(進振り)」制度。入学後2年間の教養学部での成績によって、3年次から進学する学部・学科が決まります。工学部には機械、航空、電気電子、材料、建築、都市工学、原子力などあらゆる分野が揃っており、国内最高水T準の研究・教育環境が提供されます。
3. 一橋大学(ソーシャル・データサイエンス学部)
- 特徴: 伝統的に社会科学系(文系)の大学ですが、2023年に新設された工学・情報系の学部です。文理融合が最大の特徴で、社会科学の知見と最先端のデータサイエンス技術を組み合わせて社会課題の解決を目指します。
- 入試は数学(二次)の配点が非常に高く、理系の受験生も強く意識しています。
4. 京都大学(工学部)
- 特徴: 東京大学と並ぶ最難関。「自由の学風」で知られ、学生の自主性を重んじる文化があります。基礎研究に強く、ノーベル賞受賞者も多数輩出しています。
- 工学部は地球工学科、建築学科、物理工学科、電気電子工学科、情報学科、工業化学科の6学科から成り、非常に幅広く深い学問領域をカバーしています。二次試験は科目数が多く(英数理2科目に加え、工学部は国語も必要)、総合力が問われます。
5. 大阪大学(工学部)
- 特徴: 旧帝国大学の一つで、西日本の工学系トップクラス。「実学」を重視する校風があり、産業界との連携(産学連携)が非常に活発です。
- 応用自然科学、応用理工、電子情報工、環境・エネルギー工、地球総合工の5学科があり、分野の網羅性が高いのが特徴。特に電子情報工学や材料科学、バイオテクノロジー分野で高い評価を得ています。
6. 九州大学(工学部)
- 特徴: 旧帝国大学の一つで、西日本の拠点大学。伊都キャンパスに広大な研究施設を持ちます。エネルギー(特に水素エネルギー)、材料科学、航空宇宙工学などの分野で強みを持っています。
- 入学時から学科(I群〜VI群)に分かれるのが特徴で、早い段階から専門分野を意識した学習が可能です。
7. 名古屋大学(工学部)
- 特徴: 旧帝国大学の一つ。世界的な自動車産業(トヨタグループなど)が集積する中京工業地帯に位置し、「モノづくり」に直結する研究が非常に盛んです。
- 特に航空宇宙工学科は国内トップクラス。その他、化学・バイオ工学、材料工学、電気電子情報工学など、産業界のニーズに応える強力な学科が揃っています。
8. 東北大学(工学部)
- 特徴: 旧帝国大学の一つ。「研究第一」の理念を掲げ、基礎研究・応用研究ともに世界的な成果を上げています。
- 特に材料科学(金属材料研究所は世界的に有名)、スピントロニクス(次世代半導体技術)、通信工学(八木・アンテナなど)の分野で圧倒的な強さを誇ります。
9. 神戸大学(工学部)
- 特徴: 旧帝国大学に次ぐ難関大学。港町・神戸という立地を活かし、建築学科(特に意匠・都市計画)や市民工学科(土木・防災)が伝統的に強いのが特徴です。
- 近年は情報知能工学科や電気電子工学科など、情報・AI分野にも力を入れています。文理融合の側面も持ち、バランスの取れた工学部です。
10. 横浜国立大学(理工学部)
- 特徴: 首都圏の難関国立大学。工学系は理工学部に属します。横浜という都市部での課題解決(防災、環境、都市インフラ)に関連する研究が特徴的です。
- 「リスク共生」や「都市の再生」といったテーマを掲げ、建築学、都市工学、機械工学、化学・生命系など幅広い分野をカバーしています。
11. 北海道大学(工学部)
- 特徴: 旧帝国大学の一つ。広大なキャンパスと「フロンティア精神」が魅力です。総合大学の強みを活かし、幅広い分野の研究が行われています。
- 工学部では、寒冷地工学や環境工学、エネルギー分野など、北海道の特性を活かした研究も盛んです。1年次は総合教育部で学び、2年次から各学科に分かれます。
12. 名古屋工業大学
- 特徴: 東海地方を代表する工学系単科大学。「名工大(めいこうだい)」の愛称で知られ、実学重視の教育で産業界から高い評価を得ています。
- 名古屋大学と同様、自動車産業をはじめとする「モノづくり」企業との連携が強く、就職に非常に強いのが特徴です。
13. 電気通信大学
- 特徴: 東京にある情報・通信分野に特化した国立大学。「情報理工学域」という1つの学域にまとめられており、I類(情報系)、II類(融合系)、III類(理工系)に分かれています。
- AI、データサイエンス、セキュリティ、ロボティクス、光工学など、最先端の情報通信技術(ICT)を深く学ぶことができます。
14. 筑波大学(理工学群)
- 特徴: 茨城県の「筑波研究学園都市」の中核をなす大学。学群・学類制を採用しており、理工学群には数学、物理、化学、応用理工、工学システム、社会工学の6学類があります。
- 「工学システム学類」が従来の工学部に近く、ロボット工学や知能工学を強みとしています。「社会工学類」は都市計画や経営工学など文理融合的な分野を扱います。
15. 千葉大学(工学部)
- 特徴: 首都圏の総合大学。工学部は100年近い歴史を持ちます。特に「デザイン工学(総合工学科デザインコース)」は、工学と芸術(美術)を融合させた分野の先駆けとして有名です。
- その他、建築、機械、電気電子、情報工学、化学系など幅広い分野を網羅しています。
16. 京都工芸繊維大学
- 特徴: 京都にある工学系単科大学。「工芸科学域」という名称の通り、デザイン・建築分野(意匠)と、繊維(マテリアル)科学の分野で伝統と実績があります。
- 小規模ながらも専門性が高く、特に建築やデザイン、高分子・材料化学の分野で高い評価を得ています。
17. 九州工業大学
- 特徴: 北九州市(工学部)と飯塚市(情報工学部)にキャンパスを持つ工学系単科大学。「九工大(きゅうこうだい)」と呼ばれます。
- 工学部は宇宙工学(特に小型衛星開発)や機械知能工学が有名です。情報工学部も国内屈指の規模と実績を誇り、AIやデータサイエンス分野で強みを発揮しています。
18. 広島大学(工学部)
- 特徴: 中国・四国地方を代表する総合大学。東広島の広大なキャンパスに学部が集約されています。
- 工学部は第1類〜第4類(機械・輸送・材料・エネルギー系、電気電子・情報系、応用化学・生物工学系、建設・環境系)という類別入試を行っており、幅広く工学分野をカバーしています。
19. 岡山大学(工学部)
- 特徴: 医療系学部も持つ総合大学。工学部は機械システム系、電気通信系、情報系、化学生命系の4学科体制です。
- 医療系学部との連携による「医工連携」の研究や、材料科学、エネルギー分野の研究に特色があります。
20. 金沢大学(理工学域)
- 特徴: 日本海側の中核となる総合大学。「学域・学類制」を採用しており、理工学域の中に数理、物質化学、機械工、電子情報、環境デザイン、自然システムなどの学類があります。
- 分野横断的な学習が可能であり、1年次の教養教育を重視しています。
この情報が志望校選びの参考になれば幸いです。























